お墓と現代人2  拍車をかける未婚率と社会構造。

墓石や墓参りの事情の変化として背景にあげられているのが、無縁化社会、孤立・孤独、単身社会などです。

独り暮らしや離婚の増加傾向も一因ではあるけれど、男性も女性も「結婚したくない」、あるいは「結婚できない」社会に日本全体が成り下がってしまったからだと指摘する有識者もいます。

一億総中流時代といわれた昔は、勝ち組も負け組もなく1つの組織や地域に属し、誰かの世話によって結婚という1つのゴールに導かれていました。

またそれを支える社会基盤として「年功序列」が機能し、能力の有無に関わらず、長期の視点で人生設計を立てることができました。

いまや地方には田舎に行くほど仕事がなくなり、都会にでれば実力・能力主義、自己責任が問われ、会社に居場所をなくして外に飛び出せば、低賃金の労働派遣で、明日の自分の身さえ持ちこたえられない有り様です。

結婚をして他人を家族とする余力など、どこに残されているでしょうか。

生涯未婚率に関してある調査のデータにもとづいて言えば、1965年の時点では男性2%弱、女性3%弱だったのに対し、2010年になると男性は20%以上にも達し、女性は11%近くにまで跳ね上がっています。

この傾向はさらに年々上昇しているといわれていますから、これでは「葬式や墓石・お墓参りのあり方にも必然的な変化がもたらされる」と言わざるを得ないでしょう。

たかが墓石・墓参りとおっしゃる方もおられると思いますが、人間社会の小さな崩壊が、こんなところにまで影響を及ぼしていると考えると、墓石や墓参りが疎んじられている原因を探しに源流に逆上ることも大切ではないかと思います。

誰もがふつうに10年・20年後の生活設計を立て、子々孫々を増やして安心できる社会になるよう、見つめ直したいものです。